一度自分でも考えをまとめたかってん。
今回はこいつらを基準として考えてみますが、若干長い文になります。
そして画像多めなのでモバイルの方は注意を。
ルアーによる釣りを本腰としてからしばらくして、ふと考えたのが「魚からルアーはどのように見えているのか」でした。
調べてみると、魚は色盲の個体が多いことを知りました。
そうなると疑問に思うのが、「ルアーの色なんてじつはどれでも大差ないんじゃね?」という点です。
人間と魚は意思疎通がはかれないため、魚に直接問いかけることはできません。
となれば、魚の視点から考えてみるのが道理でしょう。
- 色盲の視点からルアーを見る
まず、”色がない”とはどんな視界なのかを体験してみます。
まあこんな感じで何も見えず、何らかの存在を視覚・認知することができないので「無色」ってことになります。
人間はどう色を識別しているかというと、視神経うんぬんは置いといて、『赤緑青(RGB)』の三色を原色として、これらを混ぜあわせることによりあらゆる色を知覚または表現することができます。
色盲というのは特定の色を認識できないだけで、決して何も見えてないわけではありません。
ではその世界を見てみましょう。
これは極端な例ですが……、左よりRGBフルカラーの画像から『赤・緑・青』の彩度をゼロにした画像です。
てことはこれらの画像は2色の原色を元に表現されている(描ける)ということになります。
1色抜けただけで結構変わるものだなーと思いましたけれど、物体を認識できなくなるってほどではないですね。
- 魚の視点からルアーを見る
では次に魚の気持ちになって海の中で見ると仮定して、大元の画像に青のレイヤーをかぶせてみましょう。
ここでは「水がなぜ水色に見えるのか」を補足する必要性がありますが、面倒長くなるのでぐぐってください。
あとおまけに魚の視力は0.1程度と悪いのでぼかしてみましょう。
海中の砂の上に落ちていたらこんな感じ……ってところでしょうかね。
割りとあやうい感じになってはきましたが、形状は把握できますし、色も知覚することができます。
では次にサーフのメインターゲットであるヒラメさんの視覚に迫ってみましょう。
ヒラメは遠視で、色は青系を強く認識し、赤と緑は多少劣るような感じのようです。
実際には地面に落ちている物を視覚できる視野をしてはいませんが、──先のように云われているのを表現してみたのがこちらになります。
おおよそではありますが海中にいると仮定して、青を80%・赤と緑を40%にしてぼかすとこんな感じになります。
実際には太陽光が存在するので、青色はもっと白(無色)に近づくと考えられます。
では今度は泥のように濁った海中を想定してみましょう。
意外と見えなくもない──が、実際は霧みたいなものなので物体そのものが遮られて見難くなるでしょう。
それなら夜はどうなるのかというと、
わずかな月明かりが入ることを考えるとこんなものですかね。
まあ意外と見える(認識できる)ものですね。
- 見やすい色・見にくい色
今までの画像を見比べると、不変なのが白と黒ですね。
あらゆる状況下で”見やすい”を重視するならば白系に、夜の定番カラーでもあるホワイトパールは流石といったところでしょうか。
これまでの画像を振り返ると、”見にくい”を定義するのは困難すら感じます。
更には「紫外線」を考慮に入れると、魚が見るルアーの色というのは人間にとって未知の領域となります。
これは人間が紫外線を肉眼で確認できないせいです。
- まとめを兼ねた『釣れる色』とは何だろうを考える
ルアーの起源は水中に落としたスプーンに魚が食いついたのを始まりと云われています。
もしこれが自分だったとしたら、いきなり口には入れないでしょう。
まず手で掴んでから何だろうかと認識しようとして、それから食べれるものかどうかを確認するのではないかと思います。
魚の場合、それが口でしか確認できないことになるから、疑似餌での釣りが成立するのだろうと考えます。
個人的にルアーの色というのは一種のおまじないみたいなものだと思っています。
捕食するタイプは別の魚を食べているわけですから、それを模した物を口に運ばないはずはありません。
そう考えると、熱帯魚のような派手な色のルアーは私がよく行く遠州灘には生息しているわけがなく、魚にとっては未知のナニカと思うでしょう。
でもいつも食べているモノに似ている……だから口を使って確認してみよう……ッギャァー!と私は思うのです。
今までの経験からしてサーフで強い色はキャンディーカラーではないかと思っています。
白地に複数の色がのっている、もしくは複数に見えるアレです。
画像にも二種類存在していますが、いずれかの原色の可視率が下がってもどれかが見えるというのが強みかなあと。
実際自分以外でもキャンディカラーの釣果は多いのですが、これは漆黒の夜ではない限り、遠くからいずれかの色を視覚してルアーを獲物として認識し、興味を持ってくれるのではないかと考えます。
ルアーを見つけてくれる……つまり魚からの視認性を重視するならば「複数色を使用すること」「白または黒の二極化」ってことになりますね。
イワシカラーのような自然色が強くなる条件というのは、その魚はイワシしか食べていないって相手に効果を発揮するものだと感じます。
では何故1つのルアーに何色も必要なのでしょうか。
海には濃淡が発生するので、その時その時に一番見つけやすい色を選択できるのは強みでしょう。
まあそれでも実の所、あまり大差が無いってことは今までの画像で確認できたように感じます。
なので私はルアーの色選択については、『おまじない程度』と深くは考えていません。
魚に「こういう時にはどんなの食べたい?」と聞いて答えてくれるならば断定できますが、断定できない状況では答えは見つからず、物議は平行線になってしまいます。
ルアーのカラー選択の話は日本でいう「政治・宗教・野球」の話くらいに喧嘩の元となり、お互いが譲らない話題になるとても面倒くさい事柄だと思います。
ルアーで一番重要なのは「動き(アクション)」と「泳ぐ深度(レンジ)」ではないかなと、私は感じます。
それも明確な答えが存在しない難題ではありますけどね。
答えが見つからないからこそ、いくらでも進化していく余地が残されている趣味──それが『釣り』なのでしょうね。