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2012年2月26日日曜日

地方自治体とSNSの親和性


東日本大震災から1年が過ぎようとしています。未曾有の地震と津波が襲う前後、携帯電話での通話は制限されたり、停電によってメディア情報を受け取ることが困難になったり、現地の人は独自の判断と町内放送と口頭での情報交換が主だったのでしょう。

大半の人が情報を得るのに頼っていたものがなかった中、活躍したのが短文投稿のツイッターでの情報共有でした。こういうサービスは、自治体内での連携には使えると思うんですけど、自治体のIT化が進むなかでも、それを認知させるには敷居が高い分野のようです。

そんな中、北海道日高町役場が、フェイスブックページを開設したとのニュースを聞きました。

!?

FBで検索しても出てこないのは嫌がらせなの? 元から検索はunk仕様なので仕方ないといえばそれまでだが、地元の人でもこの時点で回れ右でハイサヨナラだろう。日高町の公式HPトップのリンクからようやく到達…。

自治体の公式HPに望んでいること

町おこしだー宣伝だーとは言っても、それは役場じゃなくて市民がやるべき運動です。あまりに動かないから役場から歩みよっているわけだし、ましてや役場のHPで営利広告なんて入れたらおかしいじゃないですか。だから自然と町の紹介の内容になってしまう。でも、それを誰が好んで毎日のように見るのだろう。

誰もが知ってると思われていて書くのを躊躇する、そんなことを繰り返すだけでもいいと思う。役場で何ができるのかとか、ゴミの分別のこととか、そういう何故か誰もが知ってるようなこと。でも、行政サービスって学校では習わないんですよね。そういう情報はウェブ上でも少なかったりします。

1万人に1人だけでもいいんですよ、伝えたいという気持ちは。日本だけでも1000人以上が見てくれていることになりますし、他の地域の人が見ても、「うちの地域はどうなんだろう…」と1万人に1人が考えてくれれば、何かが変わっていくと思いませんか。

地域のIT化に対しての温度差

せっかく昔から自治体という組織が存在するのに、その活動は過去の慣習から抜け出せないでいる。今は夜になったら家に帰って休むって職業も少なく、人によって時間はバラバラで、日曜朝でも夜でも来れない人はいるはず。

もったいないなと思います。せっかく政府もビデオ会話とか始めているのに、向こうよりも安価で開始できるグループチャットも今は簡単に設定できる。いちいち集まっても議論なんてほとんど進まないし、会場おさえるだけ手間だろうし…。
PCかスマホあれば自宅でリラックスしながら会議に参加できるんですよ。かたっくるしい雰囲気じゃないなら、何かいいアイディアがでたり、面と向かって言えないことが出てきたりすると思います。

いずれそうなるとは思いますけど、高齢化が進むこれからを考えれば、現在の50代以上の人がIT化に前向きに取り組むことが必要であると思います。地域社会の情報インフラを、電話のみで捉えているのには不便だとしか思わない。「解らない」という人は「覚える気」がないからだ。マイナンバーが開始される2015年はもうすぐそこに見える。月1回程度の会合で残り3年、何ができるのだろう。

自治体のSNSへの参入

冒頭の日高町はfacebookですが、福岡市がGoogleページを作成したのが少し前に話題になりました。Googleアカウント持っていれば簡単に作れるのがG+ページですし、作成するのは容易なはずですが、他の都市はそれを運営するのにさける人が居ないんでしょうかね。

何も特別に凝れっていうわけでもなく、こういう場所に自治体が出てくること自体、IT化が進んでいるんだなと実感できる瞬間でもあります。どっちかと言えば、個別にドメインもらってサーバー建てるほうが維持が難しいし、セキュリティも外部に頼らざるをえなくなる。そう考えれば、大きなサービスにお金払ってでも便乗するのが賢いと思うんですけどね。

G+ページは最近結構増えていますね。米国はホワイトハウスとか、欧州ではサッカークラブとか。日本ではネタにしか思えないところが来たけど、消えたのかな。

その地域を一番知っているのは人である

ローカルネタは検索サイトでも案外見つからないもの。それより、個別カテゴリのブログからたどる方が詳しい情報を知ることができる。現に住んでいる人のリアルタイムな情報に勝るものはないし、個人が知る情報はウェブ上には無いものがたくさんある。それは、話したくてしょうがなく、うずうずしているくらいだろう。

そういう情報を探すことは、Googleでも結構難しい。ローカルネタっていうのは、地元の人は暗黙の了解でお互いに言おうとしないからだ。だから検索サイトでは見つかりにくい。だからといって、個人のブログのログを辿るのには骨が折れる。どうせ狭い範囲でのことだから、SNSで繋がっている場を設ければいいんじゃないかなと思う。

何もSNSで人と繋がりを持つことが優先されることでもない。情報を提供する場が一つあって、そこに井戸端会議みたいに人が集まるような場所。俗にいうウェブ上の大手はこのタイプになりますが、自治体だってなれる可能性を持っている。

それこそ、中の人が持ち回りで2日に1枚ほど街の写真をアップロードするだけでも、効果はあると思う。知らない人からもらったリアクションが嬉しく、新しい趣味を見つけだせる人だっているかもしれない。惰性じゃなく、自ら進んでやっていることって、誰にでも生き生きとして見えると思うんですよ。
 
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