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2012年3月1日木曜日

Windows8に期待する5つのこと

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このたび、Consumer Preview版がプレリリースされました。以前には開発者向けもリリースされましたが、発売前の最終調整ってところでしょう、一般にも開放ってことで製品版のリリースも年内を視野に入れているようです。今までと何が違うのか、今一度振り返ってみる。

 

タッチパネル向けのMetro UI

一番の大きく変化したとも言える機能で、既にWindows Phoneではお馴染みの四角アイコンが占めるデスクトップ表示。

今までは小さいアイコンを、マウスを使ってチマチマ選択していたわけだが、目的の物を視覚的に見やすくかつ直線で選択出来るようにしたのは革新的でしょう。タッチパネルサポートはもちろん現在もありますが、特化されているわけでもないし、まだタッチ式のモニター大衆的ではないというのもあるので、今までなりを潜めていた。

現在は持ち運びできるモバイルPCの市場も熱いわけで、タブレット機向けのUIでもあるWin8はiOSとAndroidのタブレット機に対しての新たな刺客となるのではないかと思っている。共有ありきのAppleか、単体でも性能を発揮するGoogleか、そしてOS市場をほぼ独占してきたMicrosoft。後発であるからには、先人を追い越さねばならない。そんな意思を感じるし、誰もがそれを望んでいると思う。

データの共有

Windows8では個人情報が統合され、言わばGoogleサービスのような1つのIDに対し複数のサービスを提供するという感じにもなりそう。そのほうがデータの共有をスムーズかつ安全に行えるということでもあると思う。現在はアプリケーションデータの共有は機能として発表されている。

ファイルデータの共有とは違い、例えばメールやSNSの連絡先をインポートしてリストを作成したり、投稿した写真を共有したりと、アプリケーション自体ではなく、そこから作成されるデータを共有することができるという感じらしい。現在はMetroIDを利用している人同士なら、写真を共有できるといったことは説明されている。1つのIDで複数のPCを登録できるアクティベーション方式ではないため、複数台持っている人にとっては便利なのかと疑問に思ってしまう所。

ましてやデスクトップとタブレットとモバイルPCでそれぞれWin8を使うことになれば、この共有がどう生きてくるのだろうか。3台とも同様の環境を構築するより、1つのサービスを複数台で同様に使用できるという環境を目指したのだろう。本体を母艦とするより、クラウドを母艦にするような感じかな。Windows用のクラウドストレージもきっと考えられていることだろうし、これを利用した同期も既にサポート対象となっている。

まあでも、たまに思うのがクアッドコアだろうが、マルチタスクOSでも同一PC内での作業の限界点は見えるって所。たまに陥るのが、例えば1つのPCで画像と動画編集を同時に行わなければならない状況。PhotoshopとPremiereとAfterEffectsを起動していて、それぞれを使わないといけない場合、AEでレンダリングしている時に画像編集とか、今まで作成した動画を見直すとか、そういう所ではどうしてもパワーとメモリが足らなくなる。そこの作業データをリアルタイムで複数台共有できれば面白いかなとは思いますね。それを実現するにはAdobe側でも複数に対してのアクティベーションの譲歩が必要になるから難しいかな。

ARMプロセッサ対応

モバイル機器では多く使用されているARMが標準対応となる。簡単に言うと、馴染み深いIntelのPentiumプロセッサに比べれば省スペース・省電力・発熱減という利点がある。何事も小さく便利に、そして以前の性能を凌駕するのが進化の常であるし、このサポートは箱型のケースともおさらばできるようになるかもしれない利点になりうる。

既にオールインワンモデルの筆頭になっているAppleのiMac同様の姿になれるし、更にタッチパネル対応となれば利便性も格段にアップする。メーカーも以前よりデザインにこだわれるし、ユーザーも余計なデバイスに戸惑うことも少なくなる。拡張ができるという楽しみがなくなるかもしれないが、現在は拡張してちょっとスペックをあげるよりも、新しいモデルに手を延ばすほうが賢いこともあるから、そういう販売体制をとれることは市場も賑やかくなるのではないかな。

タブレット機に対する対応とは思うが、デスクトップも更なる省スペース化が可能になることもあるから、企業で取り入れれば作業スペースの確保に繋がる。モバイルPCでの使い勝手も良くなれば、外での作業効率もあがるし、現在は通信インフラも充分と言っていいほど設備されている。個人よりも、Windowsを使っている企業にどれほど受け入れられるかが焦点なのかもしれない。

触れる操作に楽しみを見出すアイディア

左下アイコンで馴染みのあるスタートメニューが廃止になり、新たにMetroがスタートメニューとしての標準になる。既存ユーザーが慣れるのには時間がかかるかもしれないが、これは視覚的にわかりやすく、タブレット機のような操作を実現する進化だと思う。またクラシックモードで以前のようにスタートメニューを使うことも可能。

キーボードもスクリーン表示することができ、もはやコンピューターに触れて操作することも当たり前の時代になったと痛感する。けれども、可視範囲が存在する液晶ディスプレイで、スクリーンキーボードを以前のように使うことは難しいのではないだろうか。モニターを平らな場所においてスクリーンタッチするなら、きっと画面の上の方は暗くなって見難くなると思う。でもきっと10インチくらいのタブレットなら利便性が高まるかもしれない。大きめのモニターでこの機能は生きないんじゃないかなと思う。

私はスタイラスによる手描き入力が備わってほしいと思っている。キーボードには入力速度は劣るが、文字を書いて入力する方式が確立されれば、学問の分野で取り扱うことができるようになる。ノートのように使えるし、入力データは共有することができるし、何より手書きの文化が衰退している今では必要な技術になるかもしれない。タブレットとスタイラスがあれば紙の教科書やノートもいらないような、そんな未来が待っているような気がする。少なくとも、それを目指している人はいると思う。

手は大まかな操作と何かに触れることに特化している。ペンは何かを書くのに特化している。この2つを利用できるWindows8は、用意されるアプリケーション次第では、Mac以上にメディアクリエイトの分野で市場を獲得できるかもしれない。

USB3.0対応とファイルデータの転送効率UP

現在主流の2.0に対し、理論上の転送速度は10倍にのぼり、電源供給能力も向上と次世代の標準規格となっているのがUSB3.0である。実際は記録領域のシーケンス能力に左右されるため、今の技術ではどうしてもHDDが足かせとなり、今以上の高速化は足止めの状態になっている。SSDと物理メモリによるRAMディスクは静音化と高速化に繋がるが、HDD並の巨大ストレージとしての運用が難しい。

メインをSSDにし、そこにOSをインストールして、外部にUSB3.0の大容量HDDを置くのが主流になるかもしれない。これでも現在SATA接続のHDD数台を使っている人にとっては、体感的に5倍近く速く感じると思う。また、ギガバイトの巨大データの転送と記録が当たり前になっている時代なので、巨大データの転送シーケンスの見直しによる高速化もWindows8では以前より改善されている。特に複数ファイルの転送効率を重視しており、先のような扱い方でも以前よりも良いパフォーマンスを発揮してくれると思う。

USB3.0に完全移行するのもまだ数年先の話で、Windows8が発売されてから本格的に既存メーカーも現在より、より理論値に近付けるような開発をしていくと思う。最終的に2015年には完全移行の予定で、それまでにどれだけ高速化が進むのかが楽しみだ。

もちろんOS自体も現状よりも高速化していて、起動はWin7の数倍以上はやくなり、スタンバイからの復帰も改善されている。メモリキャッシュをうまく利用した技術だが、確実に進化していると思えるのが、電源を入れた直後だろうと思う。ウェイクアアップがスムーズになるのはモバイル機では重要な要素となるだろう。

最後に

Win98→2000→XP→7と使ってきた自分にとって、今回のWindows8は今までで一番大きく様変わりした印象があります。未来を見据えた設計はAppleの方が上でしたが、市場を捉えた設計は後発組としての完成度は高いと思う。なんといっても、デスクトップとモバイル機器で同一のOSを使用できる点が大きい。今までモバイル向けに独自のOSを使用していたのもあるし、それに周りも対応しなければいけない状況だった。単一規格を提示してお互いを共有できるようにしたのは大きいと思います。

あとはデスクトップOSとして使いやすいかどうかって所ですかね。タッチパネル式の一体型PCをどこかがリリースしてくれればその点の感想も増えてくると思うんですが、まあ正式版が発表されてからですかね。1つのタブレット機に、好きなOSを入れれるっていう時代も来るといいなと思います。あらかじめインストールされてバンドルされている方がいいかもしれませんが、「このデバイスに対してはこれが最適なOS」っていう選択も欲しい所です。

オールインワン向けの開発が進みそうってのもあり、自作機が廃れるかもしれない点も無きにしもあらずですが、そこはPC制作メーカーの頑張り次第でしょうね。デザインと機能性に優れたデスクトップ機が出てくればそれはそれでいいことですし、既存の自作機でもWin7以上の高速化が実現されるとわかれば、そういうユーザーも取り込めるでしょう。

個人的にはWindows8でのタブレットが早くリリースされて欲しいところ。やっぱり普段使っているWindowsと互換性が完全な方が使い勝手はいいと思うんですよね。Win7とiPhoneじゃメモ帳同期すらままならないしね。Win8リリースまで、母艦をMicrosoftで、モバイルをAppleって構図になりそう。とにかく製品版が楽しみです。

ロゴはダサイけどね……。

 
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