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2015年2月18日水曜日

リールのギア比とはなんぞや?【スピニング小話】

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ギア比とはリール以外でも耳にする言葉ですが、リールでいうと「ハンドル1回転でスプールが何回転するか」という目安です。

今回はカタログスペックからポチる前にリールを想像する、そんなお話。


カタログスペックのギア比に「4」と書かれていれば、ハンドル1回転につきスプールが4回転します。

そして回ったスプールにより巻かれる糸を糸巻き量として表示されています。

糸巻き量を把握することにより、ハンドル1回転で手元に仕掛けが何cm寄るかが予想できるし、投げた距離を把握したり、スプールに巻くラインの量を調節することもできるので、結構重要なポイントになります。

 

  • ノーマルギア(NG)・ハイギア(HG)・パワーギア(PG)の違い

変速機つきの自転車に乗ったことがある人なら容易に想像できると思います。

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自転車・自動車はギア径を変化させることによってギア比を変化させていますが、リールでその違いを出すためには、ギアの歯数を変化させるのが大半でしょう。

ギア径を変えずに歯数を多くすることによってHG・XGモデルが作られていますが、それによるデメリットは「摩擦により動き出しに力が必要になる」「ギア音がうるさい」などが挙がります。

歯数を多くすればギアの山は細くなり、少なくすれば太くなるのは予想できると思いますし、力が伝達する効率も変化することが解るかと思います。

 

各種ギアによる特性をざっくり分別するとこんな感じになります。

・NG(ノーマルギア)

一言であらわせば「万能」。あらゆる釣りに対処できるが、突き詰めるとどこかが物足りなく感じてくるようなモデル。はじめの相棒には丁度よく、経験することで足りないと感じればHG・PGに手をだすだろう。

・HG(ハイギアモデル)

ぶん投げては回収するソルトルアーでは重宝する。早いピッチで誘い出すタイプの釣りには向いているが、厳寒期のような遅く巻くような釣りには向いていない。ハンドルが重いとよく言われるが、ハンドルのタイプを変えるだけでも軽くなる(高いけど)。

・PG(パワーギアモデル)

沖で10kg超を狙うなら必要になるレベルだが、水の抵抗が大きくなる特大ルアーや強波動のバイブレーションにも相性がいい。「小物はいらねぇ、大物だけでいい」そんな方におすすめするタイプ。

 

  • 糸巻き量からスプールの大きさを想像する

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画像はダイワ・フリームス15のスペック表です。

ギア比は軒並み大差はない(プラマイ1)ですが、糸巻き量に差異が生じています。

これは糸を巻くスプールまたはローターの大きさが関係しているのですが、この糸巻き量からスプールの大きさを概算で出すことができます。

スプールの直径を知ることができれば、大体の全体図としての大きさを想像できるかと思います。

「糸巻き量=スプールの外周」ですが、これはハンドル1回転での巻取り量なのでギア比で割り、その数値を円周率で割れば直径を算出することができます。

『(糸巻き量÷ギア比)÷3.14(π)=スプールの直径』

 

  • スプールの浅溝と深溝の違い

浅溝スプールの利点は総糸巻き量の軽減による軽量化と、0.8号以下等の細い糸を巻くのに効率がいい所。

市販のPEラインのほとんどが150m巻きなので、例えば先のフリームスの3000番台ですと1号で300mは巻けるわけですが、そうするとスプールの半分しか巻けないことに気付きます。

なので下糸として適当な1号ラインを50%巻けばいいわけですが、その手間を省くのに浅溝スプールは適しているわけで、逆に太いラインを使う場合には深溝の方に分があります。

なので、遠投を必要とせず細いラインに分がある渓流や港湾でのライトな釣りでは浅溝、遠投や深場を攻める必要があったり太いラインを使いたい場合には深溝、という役割でいいのではないかなと感じます。

 

  • 値段の違いは何が違うのか

「製造過程にかかるコストの差≒製品の質」のようなもの。

高いからといって強靭ではないし、安いからといってすぐ壊れるわけでもない。

主に変わるのは「耐水防錆・巻き心地・軽さ+剛性」です。

ステラやイグジストなどハイエンドモデルはドラグにもこだわりを感じますが、スピニングに至っては高かろうが安かろうが、ドラグ自体の構造に差異がないので好みの問題になるかと思います。

 

ルアー釣りにとって常に持っている「リールとロッドの軽さ」は自身の負担を減らす要因となるので、軽い物を選ぶのは重要なこと。

安い物にはそれなりの理由があるわけで、愛着を持って長い期間をともに過ごすのなら高価なのを選ぶのがいいかと思います。

材質による違いを手っ取り早く体験するのなら、大抵どの店でも気軽に触れるシマノのエクスセンスBBエクスセンスCI4を店頭で触ってみるといいかと。

ちなみにベアリング数ですが、主に関係するのは気密性による防水防錆機能に起因します。

巻き心地にも関係しないわけでもないですが、これにはギアの精密さと材質のほうが重要です。

 

  • メンテナンスの重要性

高いリール使っていても、メンテナンスせず使い続けていると真っ先に不具合が出てくるのがラインローラーかと思います。

メインラインにPEを主流として使う釣りでは致命的な故障で、巻き取り時にラインへの摩擦抵抗を和らげる役目や糸ヨレを解消するためなど重要な役割を担っていて、これが固着してしまうと摩擦で糸が切れやすくなったりします。

ライントラブルで真っ先に疑うべきは、ロッドのガイド、リールのスプール、そしてラインローラーかと。

あと見落としがちなのは、キャスト時に指をかけている箇所で、PEを使っている場合ははじめにここがほつれてきます。

海水に浸かってしまった場合や雨天時の釣行後には、ドラグに浸水しやすいので開けて乾かすなりしたほうがいいです。

海水は特に道具が傷みやすいので、釣行後に水洗いしてたまに注油してあげると長く付き合うことができます。

ダイワのマグシールドは”ほぼ”メンテナンスフリーなのが利点ですが、自分でメンテナンスできる箇所が限られているので、自分でできる人にはちょっと物足りないかも。

自分がダイワ製のリールにちょっと悩むのがそこでした。

 

  • 最後に

ネットショップの方が確実に安いのでポチりたくなりますが、やはり店頭で実際触ってみるのがベスト。

特にロッド・リールはカタログスペックだけでは想像しにくいので、目星をつけて触れに行ってみて、また考えるのも楽しみの一つかなと感じます。

「金をかければいいってもんじゃない」がある意味自分のテーマですが、ロッドとリールに関しては本当に変わるんですマジで。

ルアー釣りでは今回の趣旨と反していますが、ロッドに気を使うほうがいいですね。

 
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