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2012年1月12日木曜日

島田市の震災がれき受け入れ問題について思う事

※参考元
がれき受け入れ 住民反対の声相次ぐ 島田市長が溶融施設で地元説明 【中日新聞】

 実際、揉めるのは必然ですが…、ただ国民への説明不足ですね。
 一県民として見過ごすことの出来ない事柄ですし、新聞記事で気になったもので、稚拙な思いを残します。

 今回の話ですが、初めに浮上してきたのは突然のことでした。それはメディアを通してしか、私達に情報が届かないせいです。それは昨年の12月の頃でした。
 個人的には、例え自分の家の裏がこの処分場だろうが、大して気にはしません。それこそ自虐的なネタとして扱うかもしれません。そもそも、情報公開側が『安全だ』といえば”安全”と認識するしかありません。それにどんな装飾されるかは、個人では知る由もありませんし、知りたくもありません。

 記事を見ると…、まあ大した情報が無いですね。情報を圧縮すれば”そういう話し合いの場があった”で済む話です。この内容を見た聞いた人達は「そうなんだ」と記憶に留めるでしょう。
 私として知りたい情報は、そこでどういう質疑応答があったかという所。市民はどういう問題提議をして、市はどう答えたのか。市はどういう情報を公開したのか。

 がれきの置き場、放射能の影響の有無、輸送に至るまでの過程、処理場で働く人への影響、開始から終了までの期間、などなど。簡単に思いつくだけでこれだけ出てきます。
…そういう細かい話を知りたいのに、幹は当事者と、その場に居合わせたジャーナリストしか知りません。

 ここでやきもきするのが『市民団体側』でしょう。一個人が情報を発信する際、日本中に行き渡るようにするのは不可能です。それこそ言葉が悪いが、根回しが必要となります。果たして島田市民の全員が、この市民団体が活動していたことを知っているのでしょうか。
 答えは『いいえ』です。
 島田市で食事した際、車で町を走っていても、私はそのキーワードすら見ていません。主要幹線道だからこそ、市民が問題と考えているならば、張り紙の一つでも掲示するべきです。放射能を取り扱う事案だからこそ、市民のみならず、県民全体──それこそ通りすがった人達に喚起すべきです。

 島田市の人口は約10万人。20歳以上の市民は全体の8割に及びます※20歳以下約2万人。そして今回提出された”署名”は最大で2500人分ほど。(署名)2500/80000(有権者人口)。全体の3%程度の数です。
 署名としてはもちろん充分な数に値します。市民団体の尽力が滲んだ数字です。

 前置きが長くなりましたがここからが本題となります。

 メディアはあくまで中立を保つべき立場です。本質を知るためには、そこを介さなければいいだけの話です。ですが、最近は『国民の不安を煽らないため』の名目で、情報提示側が言葉を濁し、私達に都合の良い情報を発信しているように感じます。
 それは悪だと思いますか? 私は悪だとは断言しません。相手の本音はどうかわかりませんが、私はただ、人に対して不安を取り除く優しい言葉を囁いているように感じます。

 貴方の家族・友人・恋人など、身近で愛する人が沈んだ気持ちになっていたら、言葉で追い討ちをかけますか? ほとんどの人が肩を叩いて労うはずです。”痛みを分かち合う”などの感情論は、論議を殺してしまいます。論争に感情はいらない。それでは裁けない。

 互いが根元で憎しみあっていても、表面上では親しくしている。そんな能面の関係を続けていては平行線のまま。正直反吐が出る関係です。
 そういう関係は心の底から憎しみ合えばいいと思うんですよ。そうなると中立の立場である第三者に答えを求める必要がある。だから裁判という場が昔からあるんです。
 そういう流れになると、自然とメディアが世論の意見を集めようとアンケートを取ります。どっちに転んでも大きい話ですしね。まあ裁判官が信用に値するか…、っていう話になると苦笑いでごまかすしかありません。

 話し合いの場があるなら、少なくとも”記録”は存在するはずです。ネットのホームページでも、市役所だろうが団体の軒先だろうが、そういう情報提示をすべきだし、そのくらいの労力を荷ってもいいだろうと。
 一県民である私には、先述の20文字に満たない情報しか入ってきません。しかも中立の立場の意見です。人を動かすには、中立ではない、当事者達の生の声が必要なんです。

 今更言葉を濁す必要はない。確実な情報を提示することにより、国民という第三者は貴方達の澱んだ思考よりも面白い提案を思いつくだろう。表情からは感情こそ読み取れるが、本音はわからない。メディアを通しては貴方達の鼻しか見えない。それでは私達も冴えたやり方を提示できない。それこそ不満しか覚えない。そして、互いに裁くこともできません。

 せめて検索ワード”震災がれき 島田市 問題”でどちらかの意見全容が見れるようにして欲しい。私と同じ意識を持った市民がいたとすれば、そこから知ることはあきらめてしまうだろうから…。

 教えてくれる社会じゃなくて、知らなくてはならない社会になってきている。その風潮を苦しめているのが、現在の若年層と高齢層だと思う。まあでも、知る側が賢く、あざとくなりすぎて、逆に発信側が萎縮してしまったから、現在のダメダメ政府に見えてしまうんですけどね。
 言葉一つ気に障ったら、態度が気に障ったら辞めさせられる仕事なんて、自分がその立場ならどうしますか? 私だったら一切合切喋らなくなりますし、表にも出ない選択をしますけどね。





 ここからは余談ですが。ごく近い浜松市西区のごみ処理場に放射性物質を含んだとされる焼却灰がひそやかに処理された、ということがありました。当時はツイッターで知りましたが、市はその後特に情報公開をしていませんし、それ以後の経緯は知りません。
 別に隠すことの程じゃないんですけどね。放射性物質が嘘であれ真実であれ、業者にとっては「依頼されたから、いつも通りのことをした」だけのことですし、そもそも普通に県内全域で放射能が観測されていた頃です。
 下水の汚泥を焼却した──となれば、検出されるのは当然ですね。

 正直に話して怒られれば大統領になれるからいいじゃないですか。
 正直に話さず怒られるから、いじめられるんですよ。

 
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