Loading...
2012年1月20日金曜日

コンプしたのでWHITE ALBUM2について語る(※ネタバレ有)

・関連記事
  1. WHITE ALBUM2 公式サイト Leaf
  2. 「WHITE ALBUM2」がエロゲ史上最高峰の高評価で大絶賛!!
  3. エロゲ『WHITE ALBUM2』がErogameScapeで前代未聞の高評価。「YU-NO」「Fate」「マブラヴオルタ」をも上回るエロゲ史上最高傑作扱いになってる 
  4. 【Leaf】クリスマスも過ぎたし、「WHITE ALBUM 2」について語ろうか
  要所を押さえて全体のイメージを伝えようとすると、WHITE ALBUM2(WA2)はごくごく平凡な”心のすれ違い”を主軸としていて、ただの浮気ゲーと刷り込まされる。じゃあなんでこんな世間で大絶賛なんだぜ? と疑問に思うかもしれない。

 自分も最初はそう思った。何言ってんだよお前ら? 俺にとっての三角関係ベストシナリオはもしらばつばさと珠ちゃんのバトルがNo1だと。でも今なら言える。WA2プレイして胃潰瘍でリアル入院しようぜ!!


こっから先はネタバレだ! 嫌な人は回れ右してLeaf公式に行け!!





”届かない恋”を聴くたび、貴方は雪菜とかずさを想い出す。どちらを映し出しても、彼女達の5年間は、動き出せないほど心を蝕んでいあばばばばあばっばっばあばば!!(←思い出し自滅)

 本物の王が道を歩けば、人は頭を下げるものだ。それは人類が覇道という業に気付いてから、現代の我々に至るまで染み付いた本能。これは、そういうカテゴリでは確実に『王の中の王』と認められた作品。三角関係のキャラ設定と心情表現でこれに勝てる作品とキャラクターなんて、そうそう生まれてこないし、後進は必ず比べられることになるだろう。

●つらつらと感想

 cc雪菜ENDからcodaへの入りは自分の中でギャルゲー歴代最強演出&構成。あの登場の仕方はラスボスって言葉がピッタリはまるし、CGモードなどでユーザーをだます仕掛けをちゃんと考えている。あとは、普通のHシーンで涙が出そうになるエロゲー作品も初めてだった…。かずさ=ラスボス。これ豆な。

 大抵浮気物って、痴情のもつれから口論に発展して、「貴方を殺して私も死ぬゥゥッ!」的な展開が多い。んでブスリ…。そしてEND。それもアリと言えばアリ。でもそれって、もっとも簡単で、冴えた終わらせ方なんだと、WA2をプレイして思いました。
●WA2はR18指定です

 WA2は残酷描写がある。それは究極の生殺し。『胃が痛ェ…』っていう数々の感想はここから来ています。雪菜もかずさも春希も刃物を常に持っていています。相手を一撃でしとめ、長い時間をかけて魂を傷つける、拷問めいた刃物を。
 でも3人とも、恐いほど…お互いを愛しすぎている。刃物をスっ…と取り出し、それに姿を映してから、相手を壊すのが怖くて、自分を自傷する。この繰り返しが永遠に続くかのような流れ。
 だからこっちが見ているのが辛い。本当に、本当に……辛い。そして、彼女達が悲しすぎて泣けてくる。あと春希(クズムシ)は氏ね。
  そう…、大体の”泣きゲー”は狙って泣かせてくるが、これは一切狙ってないし、蓋を開ければ特に泣けるストーリーでもない。誰かに共感(シンクロ)することによって、悲しみを抱くのだ。ゲームで”感動”という感情以外で泣けてきたのは、これが初めてだった。

 雪菜に感情移入をした場合は、壁を破壊して隣人を抱きしめてから「雪菜ぁぁ──あぁっ…ぅっ…もう…! もういいだろ…? ぅぐっ…。なんっでそこ…まで…、そこまで我慢できるんだよぉっ……!?」と叫ぶ行動を取りかねない。WA2でおかしくなってしまった人は、マイホワイトエンジェル雪菜さん(マジ天使)を愛しすぎた結果だろう。

 というか、このゲームで抜いた人って、絶対泣きながらオ○ニーしただろ! 俺は悲しすぎて全編通して反応すらしなかったぞ! EDになったかと思ったわ!! シーン再生のみでも、過程を思い出して泣けるわ。

悲ニー参考


●私の攻略順と病の進行状況
Introductory chapter→「春希ェ…」→『雪が解け、そして雪が降るまで』→『歌を忘れた偶像(アイドル)』→(closing chapter突入)→麻理→小春→胃痛の自覚症状→千晶→千晶2回目→雪菜→入院→(coda突入)→かずさBAD→雪菜BAD→今夜が山田→かずさTRUE→奇跡的な回復の兆し→雪菜TRUE→退院!!←New!!


 後で気付いたけど、構成的にはほぼ一本道なのね。そう感じたのは、他シナリオもちゃんと他に生きてくるって所。それだけ1本から派生する他シナリオが完璧だということでしょう。おまけノベルは読んだ方が導入に違和感を感じない。というか読むべき。

 プレイ時間の長さが業界最長クラスだけど、それだけのテキスト量ながら、省く部分が一切見当たらない。全てが積み重なってラストの一極に繋がっていく。その過程は洗練された王道。なんというか、”悲しみ”という石を積み上げて、城壁を作っていく感じだった。城壁が完成すると、最後の最後のエンディングで姫路城クラスが建ち、「ふつくしぃ…」と、その光景に感嘆せざるを得なくなる。

 雪菜TRUEは、まさに理想の大団円。かずさEDはどちらも胃痛が残る終わり方だけど、雪菜TRUEは、スーパービンタタイム終了後、傷ついたプレイヤーを集中医療室でみるみるうちに癒してくれる。最後には心地よい余韻が残った。この余韻こそが、名作たる証になる。

●声優の演技が神すぎる

  ギャルゲにしては少ない全キャラフルボイスで、珍しく声優非公開なWA2。でもドラマCDでは公開されていたりする。ちょっと検索すればほぼ全員の名前が出て来るけど、あえて言及はしない。現在第一線で主役やってたりする方達が多いが、それが大人の事情ってもんだ。

 特にヤバいのが“慟哭”の演技。ほ…本気すぎる。どのキャラも、感情を剥き出しにした演技が非常に良い。特にメイン3キャラは、こっちを殺しに来てるんじゃないかってくらい、すごい。だって雪菜がけい──ゲフフンッ!!……うん、特に雪菜は神がかりすぎていた。歌もうますぎてiPhoneに雪菜バージョンで全部入れた。設定が強いのもあるが、それ以上に演技が素晴らしい。

●最後に

 あ? 長文すぎるだって? バカいっちゃいけない。これでもかなり抑えすぎているくらいで、本来なら1週間にわたって、最初から最後まで画像付きネタ有でやりたいところなんだ。語り足りないんだ。圧倒的に…! MOTTO MOTTO 余韻に浸っていたいんだ。


 雪菜TRUEとかずさTRUEのEDを思い出せよ…。他のキャラでは大体“後日談”があるけど、本当に最後のにはないだろう? あの終わり方がサイコーなんだよ…。語るところは語りつくしましたという感じで、ああいうスタッフロールでムービー使う終わり方が反則なんだよ…。雪菜のはもう本当に、「よかったねぇ…、よかったねぇ…」としか言えないよ。ひぐらしループから抜け出せた梨花ちゃんも霞むよ…。

 全編通してクズムシがクズムシってのは仕方ない。雪菜とかずさが白かったり黒かったりするのが良い反応を起していた。天使すぎる雪菜が黒くなった時は声のトーンも変わってマジで怖かった。「うざいから…家族」って言ったところは今でも忘れられない。……チビりそうになる。

 やって損はしない。ただ、これが初ギャルゲーなのはオススメしない。“今までのとは違う”ってのも重要な楽しめるポイントになる。でも、自分はこれが初めてでも、胃が痛くなれる自信はある。今まで読んだ、観た、どんな愛憎劇もこれには霞む。クラナドが人生なら、WA2は常人には観測できない純愛だろうな。

 誰もが思うはず、「こんなのありえない…」って。そして貴方は、胃が痛くなっていくのです。

 さあ今すぐ始めて胃をギルティしようぜ!!!!



・個人的最強セリフ
雪菜「違う! 春希くんは全然忘れなかった! かずさのこと、一度たりとも忘れてくれなかった!」

 めくるめくスーパービンタタイム前で、ここの二人の演技も全ルートの中でも屈指なんですが…。えぇ、codaOPムービーにあるセリフですね。

 ここで“忘れては”の『は』がすごく琴線を金属ピックでジャカジャカするんですよ…。切れるっつーの…。──たった一文字抜けるだけで、雪菜の5年間を全て否定してしまう可能性がある。これは重要な一文字だと思う。届かない恋のサビ前に来ると、いつもこのセリフを思い出して、泣けてくるんですよねぇ…。




ゲームの後にサントラ聞くと泣けるからマジで
 
TOP