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2015年7月10日金曜日

サビキ釣りのすゝめ

家族で楽しむ海釣りとしたらこれが一番向いていると思います。

2014-07-13 15.40.50


「サビキ」は港内でちんまい魚と戯れる釣りとのイメージが強いですが、小型から大型まで狙える万能の疑似餌釣りです。

実に様々なお魚さんに出会える可能性を秘めているし、数ある釣りの中で比較的安価で入門できる釣りなので、家族連れには向いている釣りではあります。

この時期になると、イワシ・サバ・アジなどの一年生が、プランクトンが特に豊富になる浅場にエサを求めてやってきます。万年居るといえば居るのですが、特に元気がいいのが初夏~秋頃くらいなので、今が丁度始まりの時期くらい。

そんなわけで、子供達の夏休みも近い今の時期にうってつけの釣りを、釣具屋より本音で紹介してみます。

とはいえ、正直小学校低学年以下にはオススメできません。

 

  • 釣場選択と狙い目の魚

港や釣り公園など、近くにトイレコンビニがある場所がおすすめ。

車を横付けできたりする港が色々と手間が省けていいですが、港は全国どこでも基本的に「漁業関係者以外立ち入り禁止」ですので、釣り禁止の看板近くでやるとかバカなことはしないように。

係留している船の近くは魚が居付きやすく、たしかに釣れる場所ではありますが、ロープに仕掛けを引っ掛けたり船を傷つけたりとするのは器物破損に繋がり訴訟ものなので、船には近づかないように。

土地柄や場所により「撒き餌」など禁止されている場合があるので、確認は怠らないようにしましょう。

 

イワシ・アジ・サバがメインではありますが、この中で一番釣り難いのがアジです。

アジはどちらかといえば夜行性で、日中は深場にいるので狙い目は浮いてくる日出か日没前後になります。水深がある場所なら底付近を狙っていればワンチャン。

イワシとサバは撒き餌を巻いてわらわら集まってくれば釣れます。回遊する魚なので、昨日釣れていても今日は居ない感じでいたりいなかったりするのが難点。

他にもカマス・小さいタイ・ベラ・コノシロ・サッパ・メバルなどなど時期により色々。

 

  • 用意すべき釣具

とりあえずやってみたい…というならファミリー向けのサビキ釣りセット(¥3000くらい)で十分。

他にバケツ・水汲みバケツ・ひしゃく・クーラーくらいは欲しい。こっちは1個ずつあれば事足りるので、最低限使える物を選び安く見積もって¥3000~5000くらいで揃えることができるかと。

大抵の釣具屋に似たようなリール付きセットがあるので適当に選んでください、正直どれも同じです。

安いのは耐久に難のある物が多く、リールを永く使うのは正直無理です。すぐガタがきたり内部からサビたりといい所がありませんが、その代わり竿は釣行後に水洗いして乾燥させていれば十分長持ちします。

気をつけてほしいのは、サビキ仕掛けはおおよそ1.5mくらいあるので、2m以下の竿では扱いづらいという点。

そんな短い竿もあまり存在しませんが、選ぶのであれば最低3m以上の物が望ましい。固かろうが柔らかろうがどちらも利点と欠点があるのでどちらでもいいです。

柔らかい竿の方がアジには向いているが、サバが多数掛かる場合だと上げれなくなります。

 

港や釣り施設など管理施設であるのならば、落水事故などが起きた場合には管理責任が問われるため、規約には必ずライフジャケット着用が義務付けられてはいます。

救命胴衣の着用については船上または洋上では義務付けられていますが、陸上ではあくまで個人の判断によるものが大きい。本当に安全を期すのならば腰巻きよりもベスト型、そしてヘルメットやらプロテクターが必要になるレベル。

実際現地に行けば、「なんだ誰も付けていないじゃないか」という認識で必要ではないという考えを持つべきではなく、自分の身を守るための簡単な方法としての選択肢のひとつとして選ぶべきかと思います。

じっとすることが少なく安易に水面を覗きこむなど、何するか予想がつかない子供に救命胴衣は必要。まあ暑くて邪魔で着てられんのが本音だろうけど、もしもを考えるっていうか子供をリスクから救いたいと考える人であれば普通じゃないかな。

 

  • サビキ仕掛けの選択

おおまかに分けて、針になんかエサっぽいのが付いているのと、針が2重になっていて外すのめんどくさそうなのが存在します(小並感)。

前者が一般的に「サビキ仕掛け」、後者は「トリック(パニック)仕掛け」といわれています。

「◯号」ってなんやの?と思われるでしょうけど、数字が小さければ小さく(細く)、大きくなれば大きく(太く)なると簡単に覚えてください。

 

サビキ仕掛けの方は疑似餌チックなので、魚さえそこにいれば撒き餌が無くても食ってくる可能性があるという利点があります。対してトリック仕掛けの方は針にエサを付けのに向いているので、こちらの方が扱いは面倒くさいですが色々と釣れやすいです。

どちらも一長一短なわけですが、ウキを使う場合はサビキ仕掛けが向いており、必要最小限の撒き餌でエコな釣りをしつつも釣りたい場合にはトリックが向いています。

糸の太さですが、サバは歯が結構するどいのでハリス1号近くは欲しい所。針は小さいほど良いですが、小さくなるほど糸も細くなるのでもう好みの問題になります。

個人的には幹糸3号、ハリス0.6~1号、針2~4号近辺で2種くらいあればいいかと。経験上、ピンクスキンはサバに好かれてハゲ皮はイワシに好かれる感じ。細かくいうと濁りや暗い時間などでも、魚にとって見やすい色は変化するので、淫乱ピンクとハゲをその都度試してみるのが無難。

つけるオモリは2~5号くらいの範囲で十分かと。潮の流れが速かったり水深がある深場を狙う時などに随時重くしていくのがいい。カゴをつけると水の抵抗を受けて重くなるので柔らかい竿には向いていません。

 

  • 撒き餌の重要性と釣り方

冷凍ブロックのアミエビが安価で尚且つ量があるのでオススメではありますが、季節によっては溶けるまで時間がかかる場合があります。すぐやりたい場合にはコストこそ高くなりますが、常温保存できるタイプがあったりします。

シラスもあったりしますが、こちらはトリック仕掛けで暗い時間のアジやメバル狙いに向いています。

撒き餌をカゴに入れるタイプはウキ釣りに向いていて、遠投したりある程度放っておけるのが利点ですが、初めての人には仕掛けを作るのが面倒になるので向いていません。

 

とりあえず釣り場についたら撒き餌をまいて魚が寄ってくるかを確認。

寄ってくるのであれば少量を定期的にまいていればある程度定着してくれます。寄らないのであれば周りを様子見しつつあまりまかずに回遊待ちをするか底狙い。

仕掛けは激しく竿を上下に振るより、ゆっくり上げてゆっくり下ろす方が掛かりがいい。なのでわりと軽めのオモリが有利なのですが、絡まりやすくなるという難点があります。

基本的に回遊待ちとなるので、たくさん撒けば寄ってくるってわけでもないので、周りが釣れだしたのに撒き餌がない!って事態にならないようペース配分を考えましょう。

 

  • 危険な魚たち

危険な魚の見分け方

主に釣れる可能性があるヤツで毒持ちは少ないけれど釣れる可能性は高い。その中でも触ると危険なのは「オコゼ・オニカサゴ・アイゴ・ゴンズイ」、食べると危険なのは「フグ系全般」です。

触ると危険なタイプでも毒針に触れなければ大丈夫ですが、そもそもそれ自体が異様に強力な奴らなので、底が浅く柔らかいサンダルなどで踏むのも危険です。

フグ系は適切に処理すれば誰でも自己責任で食べれるわけですが、ポックリ逝かないために海に返してあげてください。むかつくからって陸に放置しても、動物は食べないし堤防がただ臭くなるだけなので後の人のことも考えてあげてください。

自然界は優しいので、毒持ちは色鮮やかで明らかに危険を感じるし、攻撃的にヒレを立てるヤツが多い。毒こそ無いが大抵の魚はエラとヒレが鋭く、素手で触ると怪我をする可能性が高いです。

知らない魚を釣ったらまず調べる、なるべく触れないようクリップ型のハサミで持つなどして、つまらない怪我や危険から身を守るようにしましょう。

 

  • 最後に

大量に釣れるのが嬉しい釣りですが、限度って物があるので200匹釣ってドヤァ…するのも考えものです。

おすそ分け前提つっても、家庭では生ゴミ処理が特に面倒になるのでその辺も考慮してあげましょう。そもそも自分で捌くのなら50匹でもクソ面倒になるだけなので、ほどほどの数に落ち着くはずです。

ミキサーで粗をミンチにして肥料にしたり撒き餌にしたりと、まあ二次的な使い道もあるわけですが、袋に入れて冷凍保存して燃えるゴミの日に出すのが一番いいかと。

 

サビキ釣りのいいところは「見える魚が釣れる」っていうところ。

視覚的にまず楽しめるのはつかみに良いですし、(場合によるが)何より数が釣れるから楽しめる。釣りをはじめる、もしくははじめてもらうのにはサビキか管理釣り場のどちらかが特に向いています。

個人的には水遊びもできて涼しい渓流を利用した管理釣り場をオススメしたいところです。夏場の海はクッソ暑いし潮風でベタつくので長時間は向いていません。

色々な魚に出会えて学習向きなのは海ですが、余暇を楽しむ方では川が向いているかなぁと。

もし自分の子供をルアー釣りの道へと歩ませたいのならば川の管理釣り場がオススメです。決して遠くに飛ばす必要もなく、ポーンと放り投げて巻くだけで釣れるので入門編には丁度いい。

ハマるためにはまず釣ることが大事なのですよ。

 

サビキは手軽に安価でできるとはいえ、針数が多いので扱い方によっては危険な物です。

個人的には海のサビキ釣りっていうか陸からの海釣り全般は、周りになるべく迷惑をかけないよう安全にやることを学んだり守るのが大事かと思います。

自分で出したゴミのみならず近場にあれば拾ったり、他人が汚した場所もイヤーな顔しつつも洗い流していれば釣り場の保全に繋がります。

喩えるならば、他人の家に材料持ち込みで料理して勝手にご飯食べているようなものなので、料理する前より綺麗にしてあげようとする気持ちがある人ならまあ大丈夫かなと。

残念ながら、釣り禁止が増えたのは他人の家に「ちょっと泊めてくんね?」と押し入り、何故か仲間を呼んで飲み会やりつつ片付け放置して帰る人だらけでそうなったわけなので、そうならないよう今そこでやれることを大事にしてください。

 
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