
・ちょろイン[ちょろい・ヒロイン]とは──
男性もしくは特定キャラに対し最悪な印象を持っているのに、後からすればとても簡単な理由で気がついたらデレデレになっているヒロインのこと。アニメではたびたび起きる現象であり、放映時間と構成の関係で、お互いの馴れ初めを簡潔にせざるを得なかったことが一因とされる。
……が、ちょろいもんはちょろい。
今秋はちょろインが豊富で、尚且つあの人が2期で登場していることから、さしずめ『ちょろインの秋』ともいえる。なので個人的イチ推しの2人と、『ちょろい』で検索すれば他のキーワードで理由まで出てきちゃうあの人と比べてみることにした。
・比較対象
『ストライク・ザ・ブラッド』より煌坂紗矢華さん(2013年秋期代表)
『蒼き鋼のアルペジオ-ARS NOVA-』より重巡洋艦 タカオさん(2013年秋期代表)
『IS<インフィニット・ストラトス2>』よりセシリア・オルコットさん(2011年度王者・現在デレ中)
・比較内容
主人公とちょろインが出会った時から好意を抱くまでの放映時間、または話数を比べる(進展の無い1話分は24分と換算する)。
・モテる秘訣は朴念仁!(セシリアさんの落とし方)
まずは『ちょろい』といえばグーグル先生も認めるセシリアさんから。
出会いは第1期1話(11分14秒)。女尊男卑の世界観の中、生い立ち(アニメではry)から男性を蔑視しているセシリアさん。クラス代表に推薦されたワンサマーが気に入らず、売り言葉に買い言葉でISを用いての決闘をすることになる。
2話にて決闘開始(14分14秒)。セシリアさんが終始押すも、ワンサマー覚醒により追い詰められる。が、渾身の一撃を放つ前にエネルギー不足となりワンサマーが名目上敗北。
屈辱的な勝利をしてぐぬぬなセシリアさんは、常識的な展開では更にワンサマーを敵対視すると思えるのだが……
2分も経たずして何故かシャワーを浴びながらワンサマーを想うメスの顔である。
こうして伝説が生まれた。
そして3話冒頭からはデレッデレなセシリアさんマジちょろカワイイ。
セシリアさんのタイム=34分50秒(1~2話)
決闘が好意を寄せる要因だったと汲み取れるため、実に2分もかからず落とせるちょろさ。朴念仁はたまに男を見せるとモテる!
ISのキャラは総じてちょろいけど、アニメ版のセシリアさんは、ワンサマーが”気になる存在”になる過程が「作者の気持ちを考えて」系問題の問より理解するのが難しい。あの空白の2分間に一体何が起きたのだろうか。
・モテたければ吸血鬼になればいい(紗矢華さんの落とし方)
次いでストライク・ザ・ブラッドより、今秋代表の紗矢華さんを検証してみる。
登場は6話と遅く、紗矢華さんの不意打ち攻撃から指差し後ドーンで出会う(開始33秒)。
変態真祖が大事な大事な雪菜ちゃんの血を吸ったと知り、登場後20分も保たず自分の意思でSATSUGAIしにいくことに。
紗矢華さんは男に触れられるのも声を聞くのも嫌で、雪菜ちゃんが好きすぎるということからクレイジーサイコレズ候補にも挙がる可能性を秘めていた。だがここから二人の関係は急転していく──。雪菜ちゃん達を拉致した悪者を退治するため二人で乗り込むことになるのだが、吸血鬼のわかりやすい女の落とし方が始まるのであった。
アジトに乗り込むために颯爽とお姫様抱っこをして、男に触れられるのも嫌な彼女にファーストコンタクト。(好感度UP!)
彼女が躓いて倒れこんできたら、無意識下で胸を揉むのは主人公たる能力《チカラ》である。(好感度UP!?)
水で濡れてしまった彼女のボディラインをひとしきり堪能した後、フォローとしてエロ体液の染み付いたパーカーを貸す。(好感度UP!!)
すると彼女の方から語り始め──
な ん や て 工 藤 !
【悲報】クレイジーサイコレズ候補の煌坂紗矢華さん、男に抱きつく
煌坂紗矢華さんのタイム=57分38秒(6~8話)
ちなみにファーストタッチから18分程度の早業である。さすが吸血鬼はモテる!
吸血された理由を語る際には浮気現場を目撃されたような歯切れの悪さをする2人。その後は正妻(雪菜ちゃん)からは一歩引いて、モテる変態真祖にヤキモチを焼く人となる。
雪菜ちゃんもちょろインと言えなくもないが、正妻であるし初期好感度が高いために除外。殺したい程の敵視をしていながら、男に触れられるのが嫌なのにおっぱいを揉まれつつ、最後には不意に自ら体を差し出した紗矢華さんはマジちょろイン。
・タカオがおきあがり なかまになりたそうに こちらをみている!(タカオさんの落とし方)
最後に蒼き鋼のアルペジオより、本年度代表にもなりかねないタカオさんを検証してみる。
登場は1話終盤から。しかしイケメン艦長と出会った時をどこかと定めるのが難しい。ツンデレ重巡とは何時を”始まり”とするのか、これが一番迷った。その要因織り交ぜながらスタート。
2話からイケメン艦長率いるイオナ達との戦いが始まるが、タカオさんはメンタルモデル同士の戦いだと思っており、イオナが人間を乗せてイケメン艦長達に戦略を委ねて戦っていたとは思っていなかった。ちなみにイケメン艦長はメンタルモデルのタカオさんをカメラ越しで確認して(2話18分54秒頃)、超重力砲の照準をずらし、轟沈せずに武装はロックしたがフラグを立てちゃっていた。TASさんなら当然である。
敗北後、コンゴウとの会話でイケメン艦長の存在を知る。「このままでは済まさないんだから……っ!」と──はい! ツンデレのテンプレ、頂きましたー。
ここでようやくタカオさんとイケメン艦長が対面するシーンが描写される。2人が出会ったのは開戦した2話冒頭からだが、面と向かって出会ったのはここになる。どちらを”始まり”にするのか──、2話冒頭からが妥当なんじゃないかと思う。
だって後者ならあまりにもちょろすぎr
そしてタカオさんは人間(主にイケメン艦長)へと興味を持ち始め、人間界で勉強しながらリア充となるのであった。大学生かよ。
「あのユニット(イケメン艦長)…私もほしいなぁ…(ポ」
これを好意と受け取るならば、実に開戦から22分42秒程度という早業なのである。さすがTAS艦長は違うね!
お互いが面と向かって出会った描写から辿るとなんと、約30秒。おまけに轟沈されてからでも3分程しか経っていない。ツンデレ重巡はカップ麺ちょろかったのだ。ちなみに原作ではしっかりとこの辺は描写されている。
まあどちらにしろ、初登場1話から数えても25分かかってない事実。
タカオさんのタイム = 23分(暫定)
しかし、タカオさんは再登場してからが素晴らしい。
乙女プラグインが成長したのか、もうイケメン艦長と顔を合わすことすら出来ないくらいの純情な重巡。
後に仲間になるのだが……、ここからの展開は原作・アニメ共に胸熱すぎるのでぜひ見て欲しい所である。
・部門別トップ
出会ってからちょろすぎたヒロイン = タカオさん(約23分)
フラグが立ってからちょろすぎたヒロイン = セシリアさん(約2分)
経緯がちょろくないがちょろイン = 紗矢華さん(男嫌いでおっぱい揉まれつつデレたから)
経緯がちょろすぎてちょろイン = セシリアさん・タカオさん(経緯が量子レベル)
さすがセシリアさん、フラグが立ってからの変わり身は最速だったようだ。きっかけとしてはタカオさんとセシリアさんは似ているんだよなぁ。何らかの要因で心に刻まれて、翌日目が覚めたら恋してましたって感じが。紗矢華さんはアニメ見てて「お前どんだけちょろいんだよ」と突っ込んだレベル。
ちょろインはツンデレとは非なる属性だと思う。
好意を抱く過程は何であれ、その過程を視聴者に悟らせては駄目。「おいいつ惚れた。ッキショーわかんねぇからBDで検証するわ!」と二度見させるくらいの販促力が欲しい。そう考えるとセシリアさんは、ちょろインとして神の領域に達したんだなと気付かされました。久しぶりに見たらホントちょろかわいかった(安寧)
ふと思ったけど、少女漫画のヒーロー・ヒロインも大概ちょろいよな。
(終)